エンジンオイルのグレードとは、「エンジンオイルの規格」のことをいいます。そのエンジンオイルがどういった性能を持っているかが確認でき、どのようなエンジンオイルが自分の車に合っているかを判断するための表示です。
規格はさまざまありますが、エンジンオイルのグレードが高くなるほど性能が高くなるのはどの規格も同様です。安いエンジンオイルと比べると、グレードの高いエンジンオイルはエンジンの負担が軽減するなど、エンジンの持ちにも影響します。
このほか、高いグレードのエンジンオイルは以下のような効果も期待できます。
・省燃費性能
・エンジンへの抵抗抑制
・耐久性アップ
しかし、性能の良いエンジンオイルを使っても、その車のエンジンに合っていなければオイルの性能は発揮されません。単純に「グレードの高いエンジンオイルを使えば良い」というわけではないのです。
ほとんどの場合、エンジンオイルのグレードは車種ごとに指定されており、メンテナンスノートや車両取扱説明書に記載されていますので、それを参考に選ぶとよいでしょう。
エンジンオイルのグレードは、次の3つの規格に分かれています。それぞれの規格について詳しく見ていきましょう。
API規格
API規格とは、米国石油協会(API)とアメリカ材料試験協会(ASTM)、アメリカ自動車技術者協会(SAE)の三者が定める規格です。省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などの性能をアルファベットで設定しています。
規格の表示は、ガソリン車は「S」、ディーゼル車は「C」ではじまり、それぞれ後ろにアルファベットが続いた2文字です。「SA」「SB」あるいは「CA」「CB」というように表示され、後ろのアルファベットが進むほど性能が高いことを示しています。
なお、ガソリン車とディーゼル車の両方に使えるオイルの場合は、「SL/CF」のように併記されます。
ILSAC規格
ILSAC規格とは、エンジンの小型高出力化と環境負荷低減の両立のために、日米の自動車メーカー組織である自動車工業会(ILSAC)が制定したエンジン用の規格です。API規格に省燃焼性能を加えて考えられています。
規格は「GF」のあとに1~5の数字がつき、数字が大きいほど最新のグレードを表します。
JASO規格
JASO規格とは、JASO(日本自動車技術会)が制定した規格です。日本独自に定められていることもあり、国産のクリーンディーゼルエンジンに使われるオイルの主流となっています。
規格は「DL」もしくは「DH」のあとに数字をつけて表されます。環境に優しく高温酸化防止性が強まっているため、燃焼効率を考えて選ぶ場合におすすめです。